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生体材料化学分野

21世紀は、「ライフサイエンス」、「環境・エネルギー」、「材料」、「情報・通信」の4つの分野において、テクノロジー革命が期待されており、私たちの研究室では、これらすべてに関係する先端的な研究をおこなっています。

本研究では、生体由来で環境に優しいペプチドやタンパク質といった化合物から、分子レベルで構造と機能が制御された、既存の枠組みに縛られない新しい概念をもつ、新規な機能性材料の創製を目指しています。
目的とする機能として、生体に見られるような種々の化学的機能、半導体デバイスに見られるような電気的機能、そして近未来の情報・通信技術を支える光機能など幅広い機能を追及しています。

教員

  • 教授:木村 俊作
  • 助教:大前 仁
  • 助教:宇治 広隆

研究内容

ペプチド化合物を用いた新規分子集合体および新規機能性材料の開発

アミノ酸の重縮合体であるペプチド化合物を用いると、構成アミノ酸の種類や数を選ぶことによって、らせん、シート、リングといった様々な規則正しい構造をもった分子を、自由自在に作り出すことができます。このような構造の中に機能性部位を組み込み、分子同士を集合化させることで様々な機能をもった分子システムが出来上がります。

これまで、空気-水界面の分子一層分の厚みをもつ単分子膜や、中が空洞になった小胞状の二分子膜、基板上に分子が2次元的に規則正しく並んだ自己組織化膜などを調製し、その中で起こる、分子認識、イオン透過、電子移動、表面電位発生、光エネルギー移動など、様々な現象について調べてきました。その結果、ペプチド化合物は単なる生体高分子としての機能にとどまらず、半導体デバイスに見られるような光・電気的機能を実現するのに、非常に適した素材であることがわかってきました。

これらの研究は、まだまだ謎の多い生命現象を解き明かすばかりでなく、将来の技術社会を支えると期待されている、分子ナノテクノロジーの発展に寄与するものと考えられます。

遺伝子工学的手法を用いた変異体タンパク質の創製および機能化

生体内で起こる様々な現象を司っているタンパク質。このタンパク質の設計図であるDNAを遺伝子工学の手法を用いて、人工的に書きかえることによって、今までなかった新しいタンパク質を作り出すことができます。その新しいタンパク質と元のタンパク質とを比較して調べることによって、タンパク質の構造と機能との関係がわかるようになります。

これまで、セルロースを分解する酵素であるセルラーゼの色々な部位を変化させた、新しい変異体タンパク質を合成し、その性質を調べることでこれまで謎に包まれていた構造とセルロース分解機能との関係がわかってきました。セルラーゼはセルロースを選択的に認識する性質があり、また、もともとはセルロースを分解する酵素ですが、うまく条件を選ぶことによってセルロースを合成する働きもあり、大変注目されています。

セルラーゼだけではなく他の色々な種類のタンパク質を用いて、このような研究をおこなっていくことにより、機能がより高められたタンパク質、あるいは全く新しい機能をもつタンパク質、さらにはタンパク質を素材として用いた、新しい機能性材料を作り出すことができると期待されます。